睡蓮水槽には名前の通り温帯睡蓮が植えられています。凍結防止にヒーターを使っていますが温帯睡蓮は冬季に寒さに当てないと花芽ができません。しかし、水温を一桁に設定できる水槽用ヒーターなんてものはないので自作するしかありません。当初は「水槽が前面凍結しなければいいや」と言った感じで手持ちの半導体サーモスタットと水槽用ヒーターの組み合わせで作り、サーモスタット部をシリコンゴムで防水処理して水槽に放り込む案でぼんやり考えていました。
そんなある日、某展示会で応募した抽選でSONYのマイコンボードSpresenseが当選。当たったものの画像処理までこなせるマイコンボードの使い道が余り思い浮かばなかったので睡蓮水槽の管理用に使ってみることにしました。
基本方針はこんな感じで
- 冬季夜間の水温を2〜5℃程度で維持し配管の凍結を防止すると同時に温帯睡蓮の冬眠条件を満たすようにする
- 水槽の底に温度センサー付きのヒーターを置き底砂及び睡蓮鉢が下から凍結しないようにする
- 夏季の水温が上がりすぎないようファンを付ける
- せっかくのマイコンボードなので使える機能は使う
実際に搭載した機能は以下の通り
- 水槽凍結防止ヒーター制御(ヒーター自体は金魚用)
- 底砂凍結防止ヒーター(DC12V用シートヒーターと温度センサーで自作)
- クーラー(いまのところジャンクPC用ファンを使った気化熱式のみ)
- 月別温度設定
- 一週間分の気温情報から自動温度設定
- 気温の急変時にヒーター・クーラーを早めに起動
- GNSSを使用した自動日時取得
令和元年冬に一応完成、最低気温−10℃程度であれば貯水タンクの水温を0.5℃以上を維持して凍結を防止、かつ冬季の水温上限を10℃未満に抑えることができた。これを執筆している時点(令和2年6月)は夏季の冷却能力を確認中。暑そうな日に日中の温度データを記録する予定。周辺の温度が約38℃の状態で3時間経った際の水温を26℃に抑えることができている模様。
今回実装できなかったけどそのうち実装したい機能
- 液晶での温度表示
- SDカードから設定情報読み取り
- Wi-Fi接続による外部からの状態監視